期間工の平均年収は全体の平均年収より高い?

期間工の給与の日給は1万円前後です。時給なら1,100円から1,500円が相場です。1日8時間労働を1カ月の間に20日働いたとすると、期間工の月あたり給与は、17.6万円から24万円となります。単純に12カ月間働き続けたとすると、211.2万円から288万円です。一方で、国税庁が実施している「民間給与実態統計調査」の令和元年度版をみると、日本全体の平均年収はおよそ436万円です。この結果を見ると、期間工の年収は全国平均年収よりかなり低いという結果になります。

しかし、実際に期間工で働いている人の年収は、初年度で400万円を超えるケースが少なくありません。ましてや24時間体制の工場勤務の場合なら、年収500万円超えもよくあります。なぜ日給や時給で計算した額よりも、期間工の給与は高くなるのでしょうか。

期間工の給与が高い理由は?

期間工は非正規の働き方の1つです。しかし、非正規社員の平均給与額よりもはるかに大きな収入が得られます。その主な理由は以下の3つです。

1つ目は、入所祝いの存在です。期間工が雇用契約を結ぶと入社祝い金が支給されます。入社先にもよりますが、30万円から50万円ほどの支給が多いそうです。2つ目は満了手当が支給されることです。期間工が雇用期間を無事満了すると、満了手当(満了慰労金)が支給されます。働いた期間にもよりますが、1カ月あたり2万円から3万円を想定している企業が多いようです。30カ月以上の勤務の場合、100万円を超すケースも珍しくありません。

3つ目は、各種手当の充実です。期間工は人員確保のために、皆勤手当・赴任手当・経験者手当など、さまざまな手当が用意されています。これらの理由から、期間工の給与は日給や時給から想定した額面よりもはるかに高くなります。

期間従業員とは、主に製造業において採用している雇用形態です。2年ほどの期間を設定して、その間は従業員として働きます。期間が設定されているかわりに、経験者手当や正月手当などがつくこともあります。